岡村差別発言
岡村の差別発言
「新型コロナウイルスの感染拡大を受けて女性の収入が減り コロナが明けたら美人さんがお嬢(風俗嬢)やります」
この文書に限って、一体何がどのように問題なのか、刻んで見る。
「コロナウイルスの拡大によって、収入が減る」この主張はまさにその通りで、そのことを巡って、私自身どうしたものかと、日々奔走している。社会的な関係性が切断されないように、次にどのような事態が起きるのか見えない中で、一定の準備と、一定の予測を立てながら、進められることを進めていくよりないと思いながら。
「コロナが明けたら美人さんがお嬢をやります」
この発言に、まず、「美人」という表現がある。人を美醜という価値観で見ていることを、はっきりと示す表現だ。これは、お笑い芸人と呼ばれている差別者集団内では、差別語とは認識されていないのだろうが、美人と非美人がいるという表現として、機能している。人間を2つのカテゴリーに分類しようとする表現である。まず、これが、前段。
次に、「風俗嬢」という表現がある。岡村がどういう意味で用いたのかは、その前後の文脈があるのだろうから、今は置いておく。「風俗嬢とは、風俗店に勤務し性的サービスを提供する女性従業員の俗称。ニューハーフも含める場合がある。」(wikipedia)「風俗嬢」という仕事をそのほかの仕事よりも下位に置かれるべき仕事と差別的な眼で見ていることが前提となっているものと思われる。
故に、「美人」と上位カテゴライズされた存在が、下位に置かれた仕事に、「転落」する様を、描き出したものと捉えられる。
そして、この認識の枠組みを岡村自身は、どのように捉えたのか?
収入が減る→美人風俗嬢の登場 として、描き出したのだ。
この表現の一体何が、どのように問題なのか?
収入が減るということの原因を、コロナウイルスに求めている点。コロナウイルスで、仕事がなくなることが、原因であり、その保証をきちんとしようとしない、日本政府の姿勢に問題があるにもかかわらず、そのことに触れていない点に、大きな問題がある。
そして、本来社会的な問題であるはずの問題を、個人的な問題にすり替えて、「美人」という上位概念を差別的に用いて、下位にある(と岡村が観念的に思っている)「風俗嬢」という仕事につく、という現象が生じると、言い放っている。それが、あたかも、大量に発生するかのごとく、リアルに見てきたかのごとく差別を扇動している。
岡村の中に、職業に対する明白な差別意識があることが、この表現からわかる。仕事として、対等であり、そこで働くものの労働の苦しみや喜びといったものを一切考えることなく、ただ、差別を煽ることに堕ちてしまっている。
岡村がこの後の人生の中で、どのような価値観を形成していくことが望まれているのか?
自らの差別意識を徹底的に洗い出すべきだろう。
お笑いと称して、今までどれほどの差別的な表現を繰り返してきたのか、そのことを含めて人生を振り返るべきだろう。それらの行為が、今回の差別発言に連綿とつながっているのだ。
2020-5-1 SJ